厚生労働省が副業条件などの公表を求める方針
厚生労働省は企業に対し、社員の副業や兼業を認めているかなどの情報を開示するよう求めることを決めた。 大手企業は副業禁止の傾向にある為、公表を働きかけることで、許可する動きが広がることを期待する。
働く人の多様なキャリア形成を支援する狙いだという。 副業に関するガイドライン(指針)の改定案を労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会に報告した。
(2022年6月27日発表)
なぜ副業禁止の企業が多い?
リクルートキャリアによる「2018年 兼業・副業に対する企業の意識調査」の結果、副業は労働リスクが高いとの意見が多い。
44.8% 社員の長時間労働の助長
2019年4月に行われた、働き方改革に関する法整備により、残業時間上限も設けられ違反罰則なしから違反罰則ありに変更になっております。 そのなかで、各企業は「長時間労働の助長する」と考えられているようです。
37.9% 労働時間の管理、把握が困難
社員の長時間労働の助長と近い意見ですが、企業が副業を認めた場合、現在より労働時間の管理や副業に対しての管理を、どの程度行うがなど、さまざまな問題が出てきます。
34.8% 情報漏洩リスクがある為
大手メーカーであれば、その企業のノウハウが外に出る可能性があり、IT企業や情報通信企業でも、企業で行っているさまざまなノウハウが他の企業に渡ってしまうリスクが高いです。
1つの企業で務めていれば故意的に情報を渡す可能性は低いですが、副業で他の企業に関わる事があれば、ノウハウを持っている人材はそのノウハウを強みにする可能性も出てきます。
なぜ副業を認めるように企業を促すのか?
世界では副業は当たり前?
アメリカ:副業に対して法的な規制を設けておりません。
イギリス:副業禁止の条項を雇用契約に盛り込む事が出来るため、副業はしにくい環境になっています。
ドイツ:副業禁止の条項を雇用契約に盛り込むことが可能ですが。労働者の約10%が副業しております。
副業で情報をオープンにして、多様な働き方へ
人生100年時代を迎え、若いうちから、自らの希望する働き方を選べる環境を作って いくことが必要であり、副業・兼業などの多様な働き方への期待が高まっています。
副業・兼業は、新たな技術の開発、オープンイノベーション、起業の手段や第2の人 生の準備として有効とされており、「働き方改革実行計画」において、副業・兼業の普及を図るという方向性が示されています。 厚生労働省副業促進ガイドラインより
まとめ
政府(厚生労働省)は「副業を各企業に推進する」傾向にあります。情報をオープンにする事で、企業側の成長と個人(就労者)の成長が期待できると考えているようです。
企業側も政府(厚生労働省)の考えに合わせて、技術提供との付き合い方を考える必要があり、個人(就労者)も副業についての情報を持つ事が必要になるかもしれません。
ここ数年で、政府(厚生労働省)が「副業についてのガイドライン」や決まりを出して「副業促進に力を入れる」可能性が高く今後「副業のガイドライン」は、注目することをおすすめいたします。
つい最近も「TOYOTA」が技術をオープンにすると宣言し、注目されましたが、オープンイノベーションが当たり前になり、副業も当たり前の時代が来るのかもしれません。
フリーランス以外の利用者も増えれば、オンライン上で仕事の依頼が出来るSaaSの分野が拡大する可能性も御座います。